今回は「プロはツボを外さない」という話しをします
どんな仕事でもその道のプロと言われる人はツボを外しません。そして、そのツボへのアプローチも的確です。今回の記事で言いたいのは、一流を目指すならいつもそのことを意識しておきましょうということです。内容としてはこれだけなので、ここで読むのを止めても問題ないです。
まずどこにツボがあるのかを知ること
今回は「プロはツボを外さない」という話しをします。まずは、ある本に書かれていたことの紹介から始めさせてください。もう36年も前に読んだ本なのですが、いつまでも記憶に残っている記述があります。
(機械が故障し)ようやく専門家が呼ばれて来ました。彼は機械の周りを五、六回まわって注意深く調べました。彼はポケットからチョークを取り出すと、機械のすみのほうに小さなバツ印(×)をつけました。彼は、バツ印をつけた場所を真上から力いっぱいハンマーで一打ちしました。「さぁ」と彼は言いました。「これで機械は動きますよ」。機械は通電されました。彼の言ったとおり、スムーズに動き始めました。(中略)
二、三日後にこの会社に、かの専門家より「サービス料」として200ドルの請求書が届きました。経理係は怒りました。「めちゃくちゃだ」と彼は思ったのです。「ハンマーで機械を打っただけで200ドルなんて」。そこで彼は専門家に請求書を送り返し、明細書を要求しました。また、数日後、次のような返事がきました。【サービスに関する明細書】
機械をハンマーで打つ仕事 5ドル
打つ場所を探す仕事 195ドル
合計 200ドル大切なのは、どこを打つかを知ることなのです。(中略)成功の秘訣はこの点なのです。
(出典)「成功哲学」(ナポレオン・ヒル、柳平彬監修、田中忍訳)(注)ハットさんが一部太字にした。
物事を解決したり成功に導くためには、必ず重要なポイントなりツボがあり、それがどこにあるかを探し当てることができるかどうかが成否の分かれ目になるということです。これを読んで以来、仕事に限らず何かで問題解決をする際には、決定的なポイント・ツボはどこにあるのだろうかという視点で考えるようになりました。
このことをより簡単にイメージしてもらうために、突飛なたとえで恐縮ですが、腕のいいマッサージ師の例でお話しさせてください。
私は肩こりや腰痛がひどく一時は毎週のようにマッサージをしていたので実感しているのですが、腕の良いマッサージ師はツボを外しません。ピンポイントでツボを探し当て、さらにそのツボをほどよい強さで指圧します。逆に、ダメなマッサージ師は、ツボは外すは、強さは足りないなど、施術してもらったことによりかえってストレスがたまります。腕の良い人とダメな人を整理すると次のようになります。
ツボを見つけただけではダメ
簡単にイメージしてもらうために上記ではマッサージのたとえでお話ししましたが、同じことはどんな仕事にも当てはまります。ところで、注意して欲しいのは、ツボ・ポイントを探し当てただけでは不十分だということです。見つけたツボを外さずに打つこと、さらにその強さも適切であること、言い換えれば、「ポイントはよく分かっているくせして、実行するとなるとポイントを外すんだよね」などということのないようにしなければなりません。そのためには、いつも次のようなことを意識しておくことをお勧めします。
慣れないうちはポイントを外すこともしばしばですが、とにかく意識し続けていれば、そのうちポイントを外さなくなります。さらにレベルアップすると、ポイントは外していないのだけれども実行するとなると不十分なんだよねという段階からも卒業します。
とにかく、どこかに決定的に重要なポイント・ツボがあると信じて探し求め、さらにそれを外さないようにするためにはどうすればいいのかを問い続けることが大切です。
今回のまとめ
◆どんなことでも成功するためは決定的に重要なポイント・ツボを外してはいけない
◆常にそのポイント・ツボが何かを探し求めること
◆そのポイント・ツボを探し当てたらそれを適切に打つこと(実行面での的確さ)
ツボを探すとき、普通は周辺から探りを入れつつ探し当てますが、達人になると一目見ただけで一発でツボを言い当てます。一流と呼ばれるためにはその域に達したいものです。