作戦では常に残り時間を考えておくこと #103

危機管理

今回は「作戦では常に残り時間を考えておくこと」という話しをします。

 人生ではどんなことでも、例えば、作業でも交渉でもスポーツの試合でも、永遠に時間があるわけではありません。何をするにも制限時間(または期限)があります。言い換えれば、どんなことをするにしても残り時間をどのように考えるかは大変重要な問題だということです。これは何も人生での大きなイベント、例えば癌の手術をするとか、余命を考えるとか、そういう大きなことだけを想定して言っているのではありません。目の前の作業、ミーティング、スポーツの試合など日常の様々な場面で残り時間を意識すべきだと言いたいのです。平時においては言うに及ばず、有事においてはなおさらのこと、作戦(または段取り)では常に残り時間を考えておくことが大事です。
 今回はそんなことのポイントだけをお伝えします。

今回の記事で強調したいこと

 今回の記事では「作戦では常に残り時間を考えておくこと」の重要性を強調したいのですが、几帳面で計画的な人にとってはある意味当たり前すぎて何を今さらという感じでしょう。一方、成り行き任せの行動を好む人や拘束されずに自由を好む人には理解できない考え方かもしれません。人生観は人それぞれでいいのですが、少なくとも作業成果における失敗を避けるためには「常に残り時間を考えて作戦を立てる」という考え方が大事だと言いたいのです。
 ポイントを箇条書きにすると下記のとおりです。

【常に残り時間を考えて作戦を立てる】
◆大前提として、どんな作業するにしても出たとこ勝負よりは事前の作戦があった方が失敗の可能性が低くなるのではないか。
◆事前の作戦(すなわち段取り)では「成り行きに任せるのではなく
意図的に順番を組み替えること」が重要であり、それには残り時間を考慮する必要があること。
◆なぜなら、どんなことをするにしても時間は無限ではないから、言い換えれば、何にでも制限時間(期限)があるから。
◆要すれば、段取りを考えるうえで残り時間の問題は避けて通れないこと。

 私としては、各自の価値観はともかく、仕事においては平時か有事かにかかわらず心がけて欲しい考え方ですが、特に有事対応ではこれを徹底しないと関係者全員を危険にさらすことになる(すなわち失敗する)と考えています。

 今回の記事は短いですが、以上で終わりです。

参考情報:作戦を立てる際に「時間」に関して考慮すべき3つのこと

 ここからは参考情報なので忙しい方は読み飛ばして構いません。今回の記事では残り時間について書きましたが、参考情報として若干の補足をさせてください。私自身は、作戦を立てる際には「時間」に関して次の3つのことを考えるようにしています。
 ①残り時間
 ②ペース配分(残り時間をどのようなペース配分で進めるか)
 ③勝負どころのタイミング(勝負をかけるタイミングをいつに設定するか)

 分かりやすいようにサッカーの試合に例えてお話しすると、残り時間が後40分なのか後5分なのかによって作戦は大きく変わってきます。残り40分だったらまだまだ先は長いのでパワー全開で走り過ぎると体力が続きません。かといって、勝負どころのタイミングで出し惜しみをしていたら勝てません。勝負どころのタイミングは逃さずに、一方で、のべつ幕なく全力をつくして結局体力切れになってしまったということがないよう、メリハリをつけることが大事なのです。つまりペース配分をうまく工夫することが求められるのです。
 しかし、実際やるとなると相当難しいです。なぜなら、ペース配分を考えてメリハリをつけてもうまくいかないことも多いからです。例えば、ペース配分を考えてセーブしているだけなのに怠けていると勘違いされたり、勝負どころのタイミングで決断できずタイミングを逸してしまったり…。結局のところペース配分なんて考えずに全力で走り続けるという策に逃げてしまう方が楽です。でも、これでは目の前の1試合を乗り切ることは出来てもシーズンを通してやり切ることはできません。仕事でも同じです。1度のことなら徹夜で何とかなりますが、毎回毎回は無理なのです。
 だからこそ、①残り時間、②ペース配分(残り時間をどのようなペース配分で進めるか)、③勝負どころのタイミング(勝負をかけるタイミングをいつに設定するか)の3つを見極めることがとても大事だし、これをうまくやるにはある程度の熟練の技が求められます。
 上記は参考情報として書いたので中途半端な内容で恐縮ですが、この点についてはいずれ詳しく書きたいと考えています。

メモ

【段取りに関して参考にして欲しい記事】
 今回の記事は段取りを考えるきっかけになればとの思いで書きました。段取りについては下記記事でも触れています。すごく長い記事ではありますが、ご関心があればお読みください。
 ◆第26回目の記事(社会を生き抜く「段取り力」)

今回のまとめ

◆作戦では常に残り時間を考えておくこと。
◆そうすることによって失敗の可能性は低くなる。

ハットさん
ハットさん

仕事では「時間切れで出来ませんでした」という言い分は通らないことが多いのですが、これがまた勇気をもってペース配分をすることを難しくしているんですよね。

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