名著「失敗の本質」から学ぶ(同じ失敗を繰り返すな(失敗から組織的に学べ))(全9回の8回目) #81

マネジメント

今回は「『失敗の本質』から学ぶ」の第8回目で「同じ失敗を繰り返すな(失敗から組織的に学べ)」という話しをします。

 第74回から「『失敗の本質』から学ぶ」というテーマで連載しており、私が「失敗の本質」を読んで肝に銘じていること(8つ)を順にご紹介しています。今回は7番目「同じ失敗を繰り返すな(失敗から組織的に学べ)」についてお話しします。

今回お伝えしたいことを最初に要約すると…

 今回お伝えしたいことを最初に要約すると、「失敗の本質」では日本軍の失敗要因として、次の点を指摘しています。
◆日本軍は組織的学習を軽視したこと
◆学習よりも優先したのは対人関係に対する配慮だったこと
◆これに対してアメリカ軍は理論尊重・学習重視だったこと

 図にすると次のとおりです。

 以下では「失敗の本質」で書かれている具体的な指摘のいくつかを紹介します。

「失敗の本質」で指摘されている「学習の軽視」

 日本軍は学習を軽視し、失敗から学ばなかった点が指摘されています。「失敗の本質」の中では例えば次のような指摘がなされています。

 上記と対照的にアメリカ軍は理論尊重・学習重視でありました。

 それにしても特に呆れてしまうのが、作戦前の図上演習で事前に見つかった問題点を生かすどころか見なかったことにしてしまい、結果として本番では図上演習よりももっとひどい敗北をきたしていることです。さらに、敗北後の振り返りも「いまさら突っついて屍に鞭打つ必要がない」という理由で行っていません。「失敗の本質」で紹介されている次のエピソードを読んで絶望感を感じるのは私だけではないでしょう。

 いくら学習軽視と言っても程度問題であり、普通は失敗からある程度の学習をするはずですが、これほどまでに精神論重視で学習放棄をすると、負けるべくして負けた感はあります。

教訓としては「失敗から組織的に学ぶ」こと

 日本軍の失敗と同じ轍を踏まないための教訓としては、「同じ失敗を繰り返さない」ということが重要であり、そのためには「失敗から組織的に学ぶ」ことです。
 元プロ野球監督の森祗晶氏も自著で次のように書いています。まさに次の成功に向けては失敗後の反省(振り返り)が欠かせません。それをしない限り何度でも同じ失敗を繰り返すだけです。

今回のまとめ

日本軍は組織的学習を軽視したこと
◆学習よりも優先したのは対人関係に対する配慮だったこと
◆これに対してアメリカ軍は理論尊重・学習重視だったこと
◆同じ失敗を繰り返さないため、組織として失敗から学ぶこと

ハットさん
ハットさん

今回のテーマである「同じ失敗を繰り返さない」ということに関連しては、第70回目の記事(致命的な失敗への対処法 )も参考になると思います。こちらも読んでもらえると嬉しいです。

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