会話でやると確実に嫌われる4つのこと #18

コミュニケーション

今回のテーマは「会話でやると確実に嫌われる4つのこと」

 今回は「会話でやると確実に嫌われる4つのこと」について取り上げます。このテーマの背景として、どんな仕事をしていても人間関係の悩みが深刻で根深い問題となっている事情があります。この悩みを少しでも軽減することが仕事をうまくやるための秘訣の一つです。この点に関して、とても参考になる本があります。スタンフォード大学オンラインハイスクール校長・星友啓氏の「スタンフォード式 生き抜く力」という本です。今回のテーマ「会話でやると確実に嫌われる4つのこと」の具体的な内容に入る前に、少しだけこの本の「生き抜く力」の話をさせてください。

「スタンフォード式 生き抜く力」

 どんな仕事をするにしても何らかの形で他人とのかかわりは避けられません。どうせかかわるなら、お互いに良好な関係でかかわりたいと思うのは誰しも同じでしょう。悪化した関係の中で生き抜くことがどれほど大変なことか分かっているからです。したがって、多くの人の思いとしては、他人との関係が良好とまでいかなくても、せめて悪化した関係にはなりたくないというのが本音ではないでしょうか。

 そのためのヒントとして、スタンフォード大学オンラインハイスクール校長・星友啓氏の「スタンフォード式 生き抜く力」という本から「生き抜く力」の一部をご紹介します。

「生き抜く力」の3つの基本要素

 星氏は「生き抜く力」の基本要素として次の3つを挙げています。
 ①聞き取る力
 ②共感する力
 ③与える力

 今回の記事では、上記3つの力のうち「①聞き取る力」の一部である「アクティブ・リスニング」のテクニックのうち、会話でやると確実に嫌われる4つのことを紹介します。普段から意識しておくと必ず役に立つ場面があるはずです。

会話でやると確実に嫌われる4つのこと

 「生き抜く力」としての「聞き取る力」を発揮するために、人の話を聞くときにやってはいけないことが4つあります(もちろんやるのは自由ですが、たぶん嫌われます)。次の4つです。

 それぞれについて以下で簡単にコメントさせてください。

①決めつける

 決めつけた言い方をしている側には悪意はないのかもしれませんし、そもそも決めつけていることさえ気がついていないかもしれません。しかし、誰でも相手から一方的に決めつけた言い方なり見方をされると、その人に対して何を言っても無駄だという気持ちになり、コミュニケーションを拒絶したくなります。したがって、相手の話を聞くときには、相手の状況や気持ち・考え方を十分に尊重し、自分の経験や価値観から安易に決めつけたり押し付けたりしないことが大事です。

②話の腰を折る

 自分が話している途中なのに相手に話の腰を折られると誰でもムッとします。だから、とにかく相手の話しを終わりまで聞くこと。相手がまだ話しの途中なのに、相手の発言にかぶせるように口をはさんで遮るようなことをしてはいけません(相手を怒らせるための計算ずくでやるなら別ですが…)。

③アドバイスをする

 やってはいけないことの中に「アドバイスをする」ことが挙げられていることに違和感を抱く人がいるかもしれません。むしろ相手にとって良かれと思ってアドバイスをしているのに、それが嫌われる理由になっているとしたらあまりにも納得がいかないという人もいるでしょう。確かに本心からアドバイスを求めてきた相手に対して的確なアドバイスをしてあげることは問題ないのですが、ただただ話しを聞いて欲しい人に対して一方的にアドバイスをすることは、「①決めつける」「②話の腰を折る」にもつながる行為です。星氏が「生き残る力」の3つの基本要素の1つとして挙げている「共感する力」の欠如がこの行為を招いているのかもしれません。特に理屈っぽい人は注意が必要です。

④否定する

 会話をしていると何でもかんでも否定してくる人がいますが、はっきり言って、そういう人とはできる限り会話をしたくないと思うのが人情です。上記①から③と同じく、まずは相手の話を虚心坦懐、聞くことに徹することが大切です。

 以上の4つは当たり前のことなのですが、意外と自分で知らず知らずにやっている可能性も否定はできません。なぜなら、社会人経験が長くなり職場での職位などが上がるにつれて、周囲の人が忖度することもあり、この意識が鈍感になっていく傾向があるからです。
 だからこそ常にこのことを自覚しておくことが肝心ですし、必ずや自分の身を守ることにもつながります。まさに星氏のいう「生き抜く力」の重要な要素なのです。

 最後に星氏の「スタンフォード式 生き抜く力」の中での説明も紹介しておきます。繰り返しの部分をあり、しつこくて恐縮ですが、ぜひお読みください。

①決めつける
相手の考えや気持ちを決めつけてはいけません。先ほど触れた「その気持ちわかる!」がまずいのは相手の気持ちの決めつけだからです。また、相手の行動を善悪で決めつけるのもいけません。相手の状況や気持ち、考え方を尊重し、オープンな気持ちで話しましょう。

②話の腰を折る
相手が話している間に割って入って話を妨げてはいけません。
質問する時も、細かいことを聞きすぎて会話の全体像を見失わないように。相手が次のポイントに移りたいのに、余計なことに脱線してはいけません。
相手の話を忘れる、わからないことをそのままにする、会話の中で突拍子もないことを言うなど無礼は絶対に避けましょう。

③アドバイスする
「アクティブ・リスニング」の目的は、相手の状況や気持ちに理解を示すことです。
相手が悩みを打ち明けても、あなたからのアドバイスがほしいかどうかは分かりません。単に、聞いて欲しいだけかもしれないのです。
こちらから一方的なアドバイスをすると、相手を嫌な気分にさせかねません。

④否定する
相手の言っていることを否定したり、疑問を投げかけたりしてはいけません。
「アクティブ・リスニング」の目的は、ディベートに勝つことではありません。何が正しくて何が悪いのか、あなたの意見と相手の意見が同じか、違う日は関係ありません。
あくまで相手を理解することが目的なので、オープンマインドで相手を尊重しながら対話を進めましょう。(以下省略)

(出典)「スタンフォード式生き抜く力」(星友啓)

似たようなこととして「使ってはいけない4D言葉」

 今回紹介した「会話でやると確実に嫌われる4つのこと」に似た考え方として、マナーの観点から言われる「使ってはいけない4D言葉」というのがあります。次の4つです。
  ①だって
  ②でも
  ③だから

  ④どうせ
 会話の時にはこちらも合わせて注意しましょう。

今回のまとめ

◆会話では次の4つのことをしないように常に配慮すること
 ①決めつける
 ②話の腰を折る
 ③アドバイスをする
 ④否定する
◆4つのD言葉「だって」「でも」「だから」「どうせ」にも細心の注意を払うこと

おすすめ図書

「スタンフォード式 生き抜く力」(星友啓)

この本に書いてある内容は当たり前のことと言えばそのとおりです。斬新さもありません。例えば、稲盛和夫氏、松下幸之助氏、デール・カーネギー氏などの偉大な先人たちの本を読んでも同じようなことが説かれていると感じるはずです。それゆえ、今さら改めて教えてもらうようなことでもないという冷ややかな感想を持つ方もいるかもしれません。それはそれでよいのですが、大事なことは知っているかどうかではなく日常の中で実践できているのかどうかです。日々実践している人はこの本を読む必要は全くありません。自分ではできていると思っているが、他人から見ると実はできていなかった人にはぜひ読んで欲しい本です。しかしながら、たぶんそういう人は読まないか、読んでも響かないでしょう(と、こんなふうに決めつけたり、アドバイスをすること自体がまだまだ私の人間修養の至らなさを示しており、お恥ずかしい限りです。私も再読して反省します)。

https://amzn.to/3RWAJ9Q
ハットさん
ハットさん

仕事における人間関係の悩みは深刻で尽きることもありません。そのため、それを解決してくれるコミュニケーション術は、仕事術の中で一大領域でもあり、かつ奥も深いです。
簡単には語り尽くせませんので、少しずつ伝えていきますね。

タイトルとURLをコピーしました