「励まし」と「慰め」の使いどころを誤るな #91

コミュニケーション

今回は「『励まし』と『慰め』の使いどころを誤るな」という話しをします。

 前回の第90回目記事(一流のプロを目指すうえで参考になる4つの属性(サーバントリーダーの10個の属性のうちの4つ))の中でサーバントリーダーシップという考え方に少し触れたのですが、それに関連してどうしても補足しておきたいことがあり今回の記事を書きました。
 サーバントリーダーが有している10個の属性のうち「傾聴(Listening)」「共感(Empathy)」「癒し(Healing)」という3つの属性があるのですが、この点に関して「『励まし』と『慰め』の使いどころを誤るな」ということを強調しておきたいのです。

今回の記事で伝えたいことを先に要約すると…

 今回の記事で強調したいのは「『励まし』と『慰め』の使いどころを誤るな」ということであり、要約すると次のとおりです。

 「傾聴」・「共感」・「癒し」はここ数年カウンセリングやコーチングなどでもその重要性が叫ばれており意識している人も多いと感じます。しかし、何か思い違いをしていると思われる人もいるのであえてここで強調させてもらいました。
 とにかく気をつけて欲しいのは「頑張れ」という「励まし」と、「傾聴」・「共感」は大きく異なるということです。本ブログは学生さんや新社会人の方などの若い人を想定していますが、今後の活躍に際してはぜひこの点を意識して欲しいと願っています。今回の記事で言いたかったことは以上です。

 以下ではご参考として、絶望感のどん底にいる人に対して「頑張れ」と言うことがいかに無力なのかを切実に記した文章をご紹介させてください。なお、時間がない人はここまで読むのを止めても問題ありません。

絶望感のどん底にいる人の気持ち

 人がどうしようもないほど深い絶望感・疎外感・やりきれなさを抱える理由は実に様々です。深刻な病気の場合もあれば災害で深刻な被害を受けた場合もありますし、取り返しのつかない失敗をした場合もあります。ここでは、癌に罹患した患者さんの率直な気持ちが吐露された文章を紹介させてください。

 もう一つだけ紹介したい文章があります。作家・五木寛之氏の有名な「大河の一滴」という作品からの紹介になります。

 誰でもいつなんどき立ち上がれないほどのダメージを負うことになるかは分かりません。そうならないで人生を全うできれば一番ですが、仮にそうなれば誰でも「慰め」のありがたさを実感するでしょうし、逆に「励まし」の無力さも痛感するでしょう。しかし、自分がその立場になって実感する前に、絶望感に打ちひしがれている人の気持ちを慮って「励まし」ではなく「慰め」を届けられる人になりたいものです。

今回のまとめ

◆サーバントリーダーが身につけておくべき「傾聴(Listening)」「共感(Empathy)」「癒し(Healing)」という3つの属性は大事だが、注意すべきことがある。
◆それは「励まし」と「慰め」の使いどころを間違えるなということ。
◆もうこれ以上頑張れないほどダメージを負っている人に安易に「頑張れ」と言ってはいけない。

ハットさん
ハットさん

私は自分が深刻な事態に直面しているときに、第三者から無邪気に「神様は乗り越えられない試練は与えない」と励まされるのも本当に嫌でした。乗り越えないまま終わりを迎えるかもしれないときにそんなことを言われてもなぁという感じです。

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